チェコの伝統菓子☆ペルニーク作家さんの世界
こんにちは!
一年のうちで最大のイベント、クリスマスが終了しました。コロナ感染拡大防止対策のため今年はクリスマスマーケットのないプラハ。ですが、そんな状況でも例年とほぼ変わらずクリスマス準備に忙しくしておりました。
忙しい理由の1つが、クッキーの準備。チェコではクリスマスに向けて、ケーキではなくクッキーを焼くんです。2019年の我が家のクッキーたちはこちら↓
その種類たるや…。人によりまちまちなものの、7種類、10種類、はては20種類以上作るツワモノもいらっしゃいます。毎年、せめておとぎ話につきものの「7」の数字分は作ろうと思っているのですが(!)、なかなかそうは参りません💦子供と一緒に遊びながら作ると、どうしても5種類が限界⁻:
さてさて、それらのクリスマスクッキーの中に必ず入ってくるものの1つが「ペルニーク」です。
スパイスたっぷりで少しふんわり目な生地に、アイシングで模様を施します。基本的にお祝いの時に焼くクッキーで、クリスマスだけのためにあるではないのですが、その美しさと香辛料の香りがクリスマスにぴったり。
そんなわけで、今年は「グレーテルのかまど」でも扱っていただきました!
番組の中でも紹介された、作家のダナ・トラパーコヴァーさん。
彼女のペルニークはまさに芸術品!自然を愛する彼女ならではのデザインです。
今日は彼女の作品をご紹介させてください。
そんなわけで、本日のチェコ語講座~~!
クリスマスって単語にしましょうか。
Vánoce:ヴァーノツェ
といいます。
形容詞にするとVánoční/ ヴァ―ノチュニー。
「Vánoční stromeček/ ヴァ―ノチュニー・ストロメチェク」:クリスマス・ツリー
「Vánoční cukroví/ ヴァ―ノチュニー・ツクロヴィー」:クリスマス・クッキー
(注:cukrovíはお菓子、って感じです。クッキーを表す単語はほかにあります)
1. とにかく繊細で美しい!
キレイでしょ~~。現物を目のまえで見ると、泣けちゃうのですよ。
彼女が頻繁に使うモチーフは、レース模様、葉っぱや花びら。自然や身の回りのものからインスピレーションをもらってデザインするんですって。こんなモチーフが描けるようになりたい!と、彼女のデコレーション講座を受けたことがあるのですが、その時はパウチ加工した紙に書かれた彼女のモチーフをアイシングでなぞり、コルネの使い方を勉強しました。でも、彼女の域に達するのはまだまだ先のようです…💦
こんな感じのも、私は好き。↓
馬の蹄鉄は、幸福を呼ぶシンボルなんです。こんな美しい蹄鉄モチーフのペルニーク、玄関先に飾りたい💛
ペルニークは無茶苦茶長持ちするお菓子です。きちんと管理すれば3か月前のものでも余裕で食べられちゃいます。また、食べないで飾る目的ならば、1年でも2年でも持つんですよ~~。
娘に作ってくれたクリスマスのオブジェには、アールヌーヴォー的な模様も施されていました。
2.ダナとの出会いと彼女の魅力
ダナとはもう5年くらい前、雑誌の「チェコのクリスマス」企画でステキなペルニークを作る作家さんを探していて出会いました。
取材に行ったのがクリスマスの忙しい時期にも拘わらず、ごちそうを用意して待っていてくれたのを覚えています。明るい声のトーンでよく喋る、太陽みたいなおばちゃん。そんなダナの横で、あまりしゃべらないけれど優しく微笑みながらその場を見つめる、旦那さんのヤロスラフさん。長年連れ添ったからこそ出る味わいを湛えたご夫婦です。
自然を愛するダナにとって、ペルニーク以外の趣味が庭仕事。広いお庭には彼女が通したという小川が流れ、春から秋にかけて花々が咲き乱れています。
自然の中ですごす静かな日々から感じるものを、ペルニークの上に写し取り自分の感動を形にしているのが、ダナの作品なんです。
3.自然体の芸術家
ダナはお菓子職人の家に生まれました。若い頃はお針子さんを仕事にしていたそう。小さい時からお父さんとお菓子作りをしたという彼女は、当時からお菓子作りの技を磨いていたと話してくれました。また、お針子さんとして糸で美を形にすることを学んでいったのでしょう。彼女のそんな才能は、ペルニークに集約されています。ダナのペルニークはまるで芸術品。心からペルニークを愛して制作をしています。ペルニークに自分の世界を投影することは、彼女にとって、息をするのと同じように自然なこと。もちろん高い理念をもって挑む芸術も人の気持ちを動かします。でも、私はダナのようにモノづくりと関わる生活を最高に素敵と思うし、彼女のように生きたいとさえ思うのです。
2021年8月追記:
ずいぶん長いことブログをお休みしてしまいました。
というのも、3月、春分の日のころにダナの訃報が入ったためです。
秋に会った際、暖かくなったら会おうと約束していました。そして、この先もっと彼女を知り、また一緒に仕事ができれば…と思っていた矢先の訃報。
今でも明るい彼女を思い出して寂しくなります。きっと彼女は天国でもお花に囲まれて笑っているのだろうと信じたいです。ダナ、また会おうね!
チェコイラスト☆イジー・シャラモウン その2
さて、今回はアニメ「Maxipes Fík /マクシペス・フィーク (ウルトラサイズドッグ・フィーク?)」の生みの親、イジー・シャラモウンさんをご紹介!
1.プロフィール
1935年生まれ(現在85歳です。初回にご紹介したパツォフスカーさんは90歳。チェコの現役イラストレーター、グラフィック作家さんの方々、ご高齢でもパワフルです!!)。
プラハの造形美術アカデミーを卒業されてから、ライプチヒの視覚芸術大学で学んでおられます(ドイツでも歴史ある芸大だそうですね。ドイツ語、チェコ語から直訳すると「グラフィック・ブックアート大学」って感じでした。)
1990年から2003年まで、プラハの美術工芸アカデミーのイラスト・グラフィック・アトリエで教鞭をとっていただけでなく、諸外国でも教えた実績のある方です。
なんと、5か国語を話せるとのこと…国際派です。
2.作品数が半端じゃない!
私がシャラモウンさんの作品を意識したのがいつだったか、実はあまり覚えていないのです。いつの間にか知っていた、というのが正直なところ。というのも、その作品の数がすごいのです。現在までに80冊以上の本の挿絵を手掛け、自著も20冊ほどだされています。更に映画のポスター、アニメーションと幅広く活躍されています。つまり、意識しなくても作品が目に入ってくるんですね💦
例えば、これ↓。
チェコではとても有名な、医学生が医者になり、大人になっていく過程を描いたコメディ映画「Jak básníkům chutná žívot/ 詩人たちはどう人生を楽しむか」(1987年)のオープニングのアニメーションも担当されています。こんな感じで、生活の様々な場面で目にすることのできるシャラモウンさんの作品たち。
その功績が認められ、2019年にはチェコ・デザイン・グランプリで殿堂入りをされています。
3.展覧会
最近では、80歳になられた5年前にオロモウツという町で展覧会を開かれました。残念ながら当時娘がまだ小さく、オロモウツまで見に行くことができませんでした(公共交通機関を使うと、プラハから3時間近くかかります)💦
ですが、2000年から2001年にかけての冬にプラハで行われた小規模な展覧会「RECIDÍVA(逆戻り)」を訪れたことがあります。シャラモウンさんの作品は頻繁に、「遊び心ある」「ユーモアにあふれた」と評されます。一見、子供の絵のようなラインは、逆に対象の裏の部分まで表現しているようでもあり(ある時には性的なニュアンスも濃く感じる)、正直、初めはその表現の強さに押されてしまい一歩引いてしまっておりました⁻:)
フィークの絵も、先ほどご紹介した映画のオープニングもユーモアや愛らしさたっぷりなのですが…。こんな絵も描かれます↓
これは民謡集。ちなみに、20世紀初めごろに集められた民俗資料をみると、当時の田舎の自然と共にある生活とその陰の部分が感じられるのですが、そんな世界が土台になっていることを感じさせる挿絵です。
4.シャラモウン家
シャラモウンさんの奥さんはEva-Natus Šalamounová(エヴァ・ナトゥス・シャラモウノヴァー)。ドイツの方です。2014年にお亡くなりになっていますが、グラフィック・アーティストとして、シャラモウンさんと同様に幅広く活躍されていました。
一人娘のBarbora(バルボラ)さんもイラストレーター、グラフィック・アーティストとして活躍中。きっと、親子のつながりの強いお宅なのだろうなと想像します。
5.まとめ
底力あるシャラモウンさんの絵。だからこそ「フィーク」は、子供むけアニメ番組でも人気シリーズとなったのだと納得させられます。ちなみに、フィークの物語の舞台となったAhníkov(アフニーコフ)という村は昔存在していたそうで、その村があった現在のKadaň(カダニュ)には、フィークの記念碑があります。
チェコイラスト☆イジー・シャラモウン
もう11月。チェコは寒くなってきました~~
犬の散歩も、少々つらくなり始める時期でございます🐕🦺
以前、このブログの中でデザイン・マーケットに来た犬達を紹介したことがありますが、チェコ人は犬好きを自称する人たち。そこで、我が家の通りの1区画中にどれだけ犬がいるか数えてみたのですが…20軒中、10軒で犬を飼ってます。
…犬だらけやん😅。
犬といえば、今の子供も、そして昔の子供達も親しんできた犬アニメがあります。
その名も「マクシペス・フィーク/ Maxipes Fík」
訳すと「超大型犬フィーク」…というか、「ウルトラサイズドッグ・フィーク」と訳した方がイメージに近いかも。
今回はこのフィークについてと、フィークの絵を描いたイラストレーターの
イジー・シャラモウンさんをご紹介します!
あ、そういうわけで今日のワンポイントチェコ語は、「犬」にしましょう。
犬は Pes(ぺス)といいます。
そういえば余談ですが。
チェコ語で「おいで!」は「Pojď!(ポイッチュ!)」といいます。
日本で由緒正しい(!)犬の名前、「ポチ」は、チェコ人が犬に「Pojď (ポイッチュ)!」と呼んだのを、日本人が勘違いして「ポチ」いう名前なんだと思ったところから来た、などという語源説を聞いたことがあります…。
諸説あるようですがね。どれも、外国語の聞き間違いが元だと言われているみたいです。某公共放送の5歳児が出てくる人気番組では、英語のSpottyの聞き間違いだと語源が説明されていました💦
1.フィークの誕生
公共テレビ局であるチェコテレビの看板番組の1つ、ヴェチェルニーチェク(Večerníček)。日本でもチェコアニメ通は知っている、夕方18:45から放映の子供向けショートアニメコーナーです。その番組の伝統は、なんと1963年から続いています。番組開始以降様々なアニメーションが放映されてきましたが、中でも有名なのが「もぐらのクルテク」、「パットとマット」、「マフとシェベストヴァ―」など。日本ではクルテクと並んで、「妖精アマールカ」が人気あるみたいですね。われらがフィークが初めて放映されたのは1975年だそうです。
フィークの物語を生み出したのは、ルドルフ・チェフラ、絵を担当したのがイラストレーターのイジー・シャラモウンです。当時、チェフラはセント・バーナード、シャラモウンはボブテイルを飼っていたとのことで、それもあって巨大犬の話が出てきたようです。
2.あらすじ
フィークとご主人のアーヤちゃんの出会いはこんな感じです。絵本「Jak Fík vyrostl(フィークはどうやって大きくなったか)/ Albatros出版」からご紹介します。
1.アーヤちゃんの誕生日に、お父さんが仔犬を買ってきました。
2.フィークは大食漢。どんどんミルクを飲んで、日に日に大きくなります。
3.あっという間に子牛ほどの大きさになってしまい、お父さんは根を上げます。「おとなしい仔犬差し上げます」という看板を作り、アーヤちゃんに外へたてにゆかせました。
4.ところが、たいへん。アーヤちゃんが池に落ちてしまったのです。それをみていた鳩が、あわててフィークに知らせに行き…
5.…電光石火で駆け付けたフィークがアーヤちゃんを助けます。フィークはアーヤの命の恩人です。アーヤのおうちの敷地に馬小屋ぐらい大きな犬小屋をつくってもらい、そこで暮らすことになりました。
3.フィークの愛らしさ
フィークは大きいばかりではありません。なんと人間の言葉を話せて、字が読めるようになります。しかも大変なジェントルマン。どこに行っても丁寧な態度を崩しません。
そんな知的な犬なので(!)、世界を見にひとりで旅に出たりもします。船の乗船員になったり、アフリカに行ったり、オーストラリアに行ったり、果ては飛行機まで操縦します。そして、見たこと・聞いたことを報告するお手紙をアーヤちゃんに書くのです。
話せてジェントルマンなスーパーわんこなのに、マイペースで低姿勢。そのギャップがすごくかわいいのです。うーん、こんな犬、家族に欲しい…。
4.フィークの生みの親
チェフラの楽しいお話の魅力を倍増させたシャラモウンの絵。シャラモウンというイラストレーターを知りたくなりますよね!
というわけで、次回はシャラモウンさんをもう少し掘り下げます!
ガラス職人祭り☆ここにもチェコならではのデザインが…
お久しぶりです!今回はなんと前回から丸1か月ぶり😅。
実は、このコロナ禍にありながら、ありがたいことに3か月働きづめでした😌
ようやく落ち着いたところなのですが…とたんコロナウイルス感染拡大第2波到来!
この2週間以上、1日のうちに確認された新規感染者数は連日5000~8000人、ひどい日はなんと10000人越え。
そんなわけで、先週から規制が段階的に厳しくなっています。
…わかってたのにねぇ。来るって。第一波の時は優秀だったのにねぇ、チェコ。
そんなわけで実はあまり外出ができていないのですが、秋といえば芸術の秋。昨年になりますが、9月初旬に毎年行われている
『ガラス職人祭り(Sklářská slavnost/ スクラージュスカー・スラヴノスト)』
に行ったので、ご紹介します。
ついでなので、ここでワンポイントチェコ語レッスン~~💛
「ガラス」はスクロ(Sklo)といいます。
「ガラス職人」はスクラージュ(Sklář):"…ář"で職業を表すことが多い。
lékář(医者)、Cukrář(菓子職人)ナド。
「ガラスでできた」という形容詞はスクレニェニ―(Skleněný)。
さて、上記の単語を旅行に使えるかな?
Chci jít do obchodu se sklem. :ガラスを扱っているお店に行きたいです。
Koupila jsem si bižuterii se skleněnými kolárky. :ガラスビーズでできたビジューを買いました。
…とかね。
1.いざ、山の中へ。
会場は、チェコでは有名なガラスの街、ヤブロネツ・ナド・ニソウ(Jablonec nad Nisou)にあるガラス・ジュリー博物館 (Muzeum skla a bižuterie) の分館がある場所。チェコの北の山地、イイゼルスケー・ホリ(Jizerské hory)の中の、クリスティアーノフ(Kristiánov)というところです。
ここは18世紀の後期にヨハン・レオポルド・リーデルという人がガラス工房を置いたことがきっかけで、ガラス職人ばかりが集まる村として一時期栄えたそうです。
作られていたのは、主にジュエリーの部品だったとか。
さて、ここまでの交通機関はというと。
プラハから普通に公共交通機関をつかうと激しく時間がかかるので、ベドジホフ(Bedřichov)というクロスカントリーで有名な村までは自家用車、そこから5キロ強は自転車という方法を選択しました。
久しぶりの山サイクリング、結構きつかったです…。しかも寒かった…‐;)
2.さあ、かわいいのあるかな?
到着!
疲れたし寒いしですぐに動けず、まずは友達持参のおにぎりを分けてもらい(!)、一息ついてから行動開始。
…やっぱりジュエリーの部品を作っていた場所だけあって、小物が多いです。
心をぎゅぎゅぎゅっとつかんでくれるものに巡り合えるか、期待してあるいていると...
こんな子たちにめぐり逢いました💛↓
あまりの小ささ、そしてユーモラスさに思わず見入ってしまいました…。
穴が開いているので、ビーズとしてテグスに通して使うんでしょうね。
むっちゃ悩んで、お買い上げしたのが、冒頭の画像の子たち。
特に気に入っているのが↓
近距離で撮りすぎてピントあってなくてごめんなさい。
チーズにはまり込んでるネズミですって。
顔がチワワだけどね…💦
また、この子を後ろからみたところが…
なんかピンク色なところが妙に色っぽいネズミさんです。
あと、これはどう使えばいいの~~!ってシロモノにあいまして、思わず購入。
ほっそい足が、青い石を抱いてるんですよ。
なんで??タコには縁がまったくない国のくせに、妙にリアル…
少し歩くと、やはりこの地方で有名な、ガラスビーズをつなげて作るクリスマスツリーオーナメント、コラールコヴェー・オズドビ(Kolárkové ozdoby) の会社Rautisのブースがありました。
でも...。なぜ川魚がここに?↓
微妙な照り照り感にリアリティ、感じませんか?
そのすぐ横には、この地方のガラス技術学校のブース。そこではバーナーを使ってガラスの動物を作る実演をしてました。
ちょっと長いですが、動画とりました!こんな感じです↓
はじめはアシカを作ってるのかと思いました💦
なんか、飴細工に通じるものがありますよね!
3.おなかがすいたら。
ここまで来て、おなかのすいた私たち。
グラーシュ・スープ(ソーセージやお野菜をパプリカ中心の香辛料で味付けして煮込んだスープ)とこんなパンを購入してお昼にいたしました…
バターやマーガリンの代わりに、豚ラードをパンに塗って食べることもあるのですが(その昔はその方が一般的)。このパンには、揚げた豚皮や肉も混ざったラードに、生の玉ねぎをまぜたペーストがのっています。ビールにはあうかもね~~、ってお味です。1枚食べたらもうお腹いっぱい💦
4.そして。
他にも、なぜかウッドビーズのお店、中世っぽい緑の花瓶を置いているお店などがありました。個人的には、やっぱりバーナーでガラスのフィギュアを作っていたところが一番おもしろかったです。
チェコにはプレツィオーザ(Preciosa)という、ガラスジュエリーやシャンデリアが主力のガラスメーカーがありまして、そこのガラスフィギュアの透明感あるキラキラはとても愛らしいのですが、このお祭りでみたような、妙にデフォルメされユーモラスなフィギュアたちも、チェコムード満点で大好きです(どっちかというとこちらの方がザ・チェコかも??)。
さて、この帰りにはヤブロネツの街のガラスビジューの博物館にもよりました。
そこも美しくもかわいいモノ満載で、写真撮りまくりだったので、また今度ご紹介します!
チェコ絵本☆レポレロ
日本は学校が始まったらしいですね。
こちらも来週から学校再開。って新学期が近くなったらすっかり秋の気配。
本日の気温20度でございます😭
ところで、「Leporelo/レポレロ」って聞いたことがありあますか?
オペラ好きな方だと、「ドン・ジョヴァンニの従者の名前!」と思われるやもしれませんね。
当たらずとも遠からず。
語源はあとで説明するとして…ここでいうレポレロは、チェコの絵本の形の一つです。
↑こんな感じの蛇腹折りの形をしています。
厚めの紙に印刷されていて、表紙を開いた後、たたまれているページを少しずつ広げながら左から右へ追います。
広げきってしまうと、今度は裏にして左から右に読んでいくのです。
厚手の紙で作られており、幼児むけの絵本に多い形式です。
小さい子供が見るものなので、まずはばーん!と広げてしまい、左から目で追って、ひっくり返してそのまま左から右へ目を動かしていく方が使いやすいのでしょうか?
子供が寝る前に、寝っ転がって読み聞かせるには不便だった記憶があります💦
ちなみに、この絵本ですが。
英語でも、動物は大人と子供で名詞が違いますよね。
犬だと成犬はdog、仔犬はpuppy。
それと同じようなものがチェコ語にもあります。
それを子供が覚えるための絵本です。
この画像だと、左から(絵本の中では複数扱いにしてます):
雌馬の仔ーHříbátka/フジーバートカ
雌羊の仔ーJehňátka/イエフニャートカ
雌ヤギの仔ーKůzlátka/クーズラートカ
私、この本見て動物の赤ちゃんの名詞覚えました…‐;)
そして、今日はチェコ語についてもう一つ。
動物の雄、雌、こどもでは全部名前がちがうんです~~。
犬なら
オス:Pejsek/ペイセク、メス:Fena/フェナ、仔犬:Štěně/シュチェニェ
結構覚えるの、時間かかります💦
ところで、この形式の絵本の名称がなぜレポレロか、ってところに戻りますね。
オペラのドン・ジョバンニでは、従者のレポレロがご主人の女性遍歴を紙に記録しています。その紙がこんな蛇腹折りなのです。だから、こういう形式の絵本はレポレロといいます。
絵本にこんなネーミングをしたことが、モーツァルトがドン・ジョバンニをプラハで初演したことに関係あるとはあまり思えませんが(!)、幼児向けの本にはあんまりふさわしくないネーミング?と思ってしまうのはわたしだけでしょうか???
とはいえ、レポレロは幼児向けなのではっきりとしたイラストで分かりやすいものが多いです。チェコ絵本初心者向けともいえるかも、です。
夏だ、野外劇場だ!
久しぶりにこんにちは、もりのさんぽです💦
今年は6年ぶりくらい?に、日本に一時帰国しない夏。
日本は恋しいけど(特に食べ物が?)、こっちにいればいるで、そこそこ楽しめちゃっています😁
屋外の文化行事が結構多いのです。しかも、結構好みなやつ。
そんなわけで、今回はストリート・シアター、「Za dveřemi/ザ・ドヴェジェミ(ドアの向こう)」に行ってきました。
お目当てはもちろん…子供向けの劇💛
実は絵本に続き、チェコの人形劇が大好きな私。
今回、人形劇には時間が合わなかったのですが、子供むけの劇を観劇しました!
1.緑がきれいな夏の公園。
さて、このイベント、先日のデザイン・マーケットが行われた展示会場敷地内の別の場所で開催されました。
展示会場脇には広大な「Stromovka/ストロモフカ」という公園が広がっています。
広い公園だから、こんな景色はざら↓
どの子もいい子です😍
ストロモフカの一部には、プラネタリウムもあります↓
ドームの大きさが直径23.5mで、世界最大級に属するんですって。
ちなみに世界最大は愛知県のもの (35m)とか。
https://www.planetum.cz/planetarium-praha/
2.まずはワークショップ
行くと、寸前まで上演していた人形劇の劇団が、人形制作ワークショップをやっていました。
この劇団の人形は無茶苦茶ナチュラル。
枝や木の実、葉っぱを組み合わせて作ります。
こちらが皆さんの作品。
すっごい素朴ですが、人形たちのこの感じ…日本人が作ったら、こうはならないと思いませんか?
ちなみに、「Kuky se vrací/ クキ セ ヴラツィー(クキ、家に帰る:日本語題はたしか『クーキー』だったような)」って映画知っている人いるかな?
捨てられたぬいぐるみのクマが、持ち主の坊やのおうちに帰るために奮闘する映画です。この映画に出てくるキャラクター達を彷彿とさせる人形たちがたくさんいました。
3.はじまり、はじまり~~
さて、結構強い日差しの元、劇の始まり始まり~~。
Bratři v tričku/ブラトシ フ トリチク(Tシャツを着た兄弟)という劇団の、
「Hra o trůn/フラ オ トルーン(王座をめぐるゲーム)」という劇。
おなかを壊した男性二人がトイレに駆け込むも、そこにはトイレの国の王様が居座っています。トイレの国の問題を解決しないと二人にトイレを明け渡せない、と言う王様。成り行きで二人は問題解決能力を試されます。そして最後には問題(トイレの詰まり)を無事解決する、という…なんともお下劣なお話でした💦
ですが、王様が出すテストの度に繰り広げられる大道芸のリズミカルさは、なかなかのもの。
トイレにあるものをどう使って大道芸をするのか、そこにワクワクがあって。
…結局最後まで楽しく観てしまいました😁
4.子供劇、必見!
子供劇って子供向けでしょ~~。
って思うかもしれませんが。
子供は正直です。魅力がなければあっという間に遊び始めてしまいます。
子供の感性に訴えかけられるものは、大人にだって通用するような完成度がないといけないと思うのです。
実際、子供劇のいい作品は、理屈抜きに気持ちが動きますもんね。
チェコに来たら、人形劇も含め子供むけの劇、案外必見ですよ😉
ちなみに、今回のストリートシアター、「Za dveřemi/ ザ ドヴェジェミ」のウェブサイトはこちら↓
https://www.zadvermi.cz/en/program/
もう一度ぐらい、夏の間にこういうフェスティバル行きたいな~~💛
デザインマーケット in プラハ
今年は新型コロナウイルスの関係で海外旅行は難しいですね。
私も、恒例となっている夏の日本一時帰国を断念しました😢
仕方ない、ヨーロッパで楽しむぞ~~!
というわけで、今日は6月28日にデザイン小物のマーケットにでかけた話。
プラハでは10年くらい前から、デザイン・マーケットというイベントが開かれるようになりました。
デザイン指向の高い小物の作家さんたちが出店するマーケットです。
プラハに来たら行ってみたい!という方のために、道順も説明しながらレポートしますね。
今までプラハ国民劇場脇の広いスペースで開催されていたこのイベント。
新型コロナウイルスの関係で、市からよりオープンな場所での開催を求められたようで、春から場所が「Výstaviště/ ヴィースタヴィシュチェ(プラハ見本市会場)」にうつりました。
我が家からは、まずはメトロC線で「Nádraží Holešovice/ ナードラジー・ホレショヴィツェ(ホレショヴィツェ鉄道駅)」まで。
駅前にあるトラムの停留所に到着したら、駅からみて右方向に向かって走るトラムの6番、12番、17番に飛び乗って1つ目の停留所、「Výstaviště Holešovice/ ヴィースタヴィシュチェ・ホレショヴィツェ(ホレショヴィツェ展示場)」で下車。
すると、目のまえはもう会場!(トップの画像がそれですね)
入場無料です。ここからマーケットよ、という区切りもなく、いきなり展示会場前の広場にテントがたくさん立っています。
出展数約180。衣類が半数近く、そのほか紙製品、木製品、アクセサリー、陶器がほとんどを占めます。もちろん、中には飲食店もアリ。そんなわけで、昼を食べずに来た私たち、まずは腹ごしらえ~~。
入口近くにあった、有機農場で飼育した豚で作ったソーセージを挟んだホットドッグのお店を選びました。
イタリア映画にでてきそうな雰囲気の、太陽が似合いそうなお店のご主人。出来上がり待ちのお客さんへの気配りができる方で2度びっくり(チェコ人にはめずらしい💦)。
ホットドックはこちら↓
びっくりするほど癖のないソーセージ!脂もしつこくなく、塩味がうすいのでぱくぱくいけちゃいました。ちなみに7歳の娘のほうがピリ辛ソースを完食。あったかいソーセージにアボガドのせはアボガドのとろみがきいて、おいしかった!お値段は左120コルナ、右140コルナとちょっとお高め(1コルナ4.5~5円)。
というわけで、さて、出陣。
そして、ここは私のお気に入り。
「GREGIHO DÍLNA/グレギホ・ディールナ(グレグの工房)」の作品↓
硬質木材を、外科手術用のカッターで加工しているそう。
以前、私が一目ぼれして買ったのはキツネの顔のネックレス、リス、ウサギ。
今日の目的の一つは犬グッズ。
娘は大の犬好きで、我が家の黒柴、アキのためにいいものがあったら買いたい!というので連れて行ったのです。
そんな彼女が見つけたのは紙を組み立てて作るオブジェ。
チワワなのだそうですが…しっぽの上がり方がカワイイ!
今回は買わなかったけど、作る楽しみもあるし、これは次回絶対ゲットしたいものの一つです💛
…ところで、余談ですが、チェコ人は大の犬好きを自負しています。
この会場でもそこかしこに犬が。
暑い日だったので、犬のための水が入ったお皿もところどころに用意されてました😁
ここで、キレイな陶器のお店発見!
マグカップ、ブローチ、ピアスなど、繊細な色付けをした作品にくくっと引き寄せられ。
特に気に入ったのは風鈴(ドアベル?)の羊。画像下のほうの、キツネも捨てがたい…。
どの作品も、微妙な丸みと色味が気になる~~。
とはいえ、風鈴1個700コルナ近く(約3500円)。今度買うつもりで予算組んで来よう!と今日は断念(またか…💦)。
そして出会ったのが、
先だって紹介した、小型絵本出版社のミーンダーがお店出してました(このイベントにはここのところ毎回出店してます)。
結局、犬が主人公の絵本「LILLY, LETÍ ROGALO!」/リリィ、レティー ロガロ!(リリィ、ハンググライダーが飛んでる!)」を購入。
2020年、今年出版の新しい本です。
おじいちゃんが飼い犬のリリィに、公園の椅子に座って今までに家で飼ってきた代々の犬達のことを話す、という設定。たいした内容ではないけど、ほっこりします😍。
犬グッズのお店もあったのですが、ちょっとオシャレすぎ。うちのボウズはおとなしくつけていられないというものばかりだったので、購入はあきらめました。
…なんだかんだいって、結局躊躇せず買っちゃうのは絵本なんだよな…。
このデザインマーケットの名称は、チェコ語でDyzajn marketと書きます。
英語表記でDesign marketですが、「デザイン」の部分の英語の発音を、チェコ語のアルファベットに当てはめるとこうなるからです。こうやってチェコ語表記すると、ちょっとストリートっぽいイメージになりますけど…。
このイベント、年に6回も開催されているそうで、ちょっと回数多すぎやしないかい?ともおもうのですが、観光に来た方が訪れることができる可能性はおおきいですよね。
ウェブサイトは下記です↓
https://www.dyzajnmarket.com/en
チェコで流行りのデザインってこんなのなのね~~。っていうのがみられて、おもしろいと思いますよ!