ほっこりチェコ絵本

心の隅っこをキュっと掴むモノと出来事。

チェコのおとぎ話の世界へようこそ💛

チェコの大晦日_おとぎ話

晦日だ!おとぎ話の世界へ💛

コロナウイルスの感染があっという間に拡大し、お正月気分なんて吹っ飛んじゃいましたね💦

もう昔のことのようですが、年末年始はどのように過ごされましたか?
いいですよね~、日本の年末年始。年末のたたき売りや大晦日の除夜の鐘、そして賑々しい初詣。かわる年への期待にワクワクします。チェコ在の私はもう何年も味わっていない空気です。

年末年始のチェコといえばおとぎ話の映画!

って言ったら…はぁ?って感じですよね、きっと💦
クリスマスイブあたりから年始まで、おとぎ話映画が毎日放映されるんです。昨年末は娘と2人、毎日1本づつ楽しみました❣️

1970年代のものから、最近制作されたものまで色々。そんなわけで、本日はおとぎ話、Pohádka(ポハートカ)の映画について触れてみます。

1.チェコおとぎ話映画の王道、「シンデレラのための3つの木の実(1973 年)」

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チェコ版シンデレラ

これを知らずして、チェコのおとぎ話映画を語ることはできません。チェコのシンデレラは一味違います🥰

継母と義姉にイジメられるのは良く知られているシンデレラと一緒。優しく明るいシンデレラはお屋敷の使用人たちに愛されています。その使用人のうちの一人のおじさんが、町に行く時にシンデレラに欲しいものを訪ねると「あなたの頭に最初に落ちてきたものでいいわ」とけなげな答え。それが小さな木の枝についた3つの木の実でした。その木の実の1つを森にある彼女の隠れ家で床に落としてしまうと…。なんと、狩人の服装と装備一式が出て来るんです。

そう、このシンデレラ、優しいだけじゃありません。狩りの腕も一流で、王子たちが射落とせなかった鳥をやすやすと落としてしまうんです。

この狩りの前にも王子達をからかって森を逃げ回り、木に登り、馬を乗りこなし…と立派な王子様たちがかなわない運動能力を披露します。ま、いわゆる「じゃじゃ馬」ってやつでしょうか。

そして舞踏会の日。2つ目の木の実を使ってお城へ行きます。もちろん馬車になんて乗りません。亡くなったお父さんが遺してくれた白馬にまたがってゆくんです。白馬に乗った王子を待つのではなく、自分で白馬にまたがっちゃうんです!かっこよすぎませんか?お城では顔をべ―ルで隠して王子と踊り、彼女の美しさに心惹かれた王子に、なぞを仕掛けて逃げ帰ります。謎めいた美女にメロメロになった王子様は必死にあとを追いかけ、継母の妨害に遭いつつもお屋敷でシンデレラを見つけてハッピーエンド!

雪景色にロマンチックなお話、とクリスマスムードたっぷりな物語です。

2.おとぎ話映画のシンボル女優、リブシェ・シャフラーンコヴァー

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シャフラーンコヴァー、カワ(・∀・)イイ!!

シンデレラを演じた女優、リブシェ・シャフラーンコヴァー(Libuše Šafránková)。可愛いです。とにかく、可憐。2008年の「私の心の女優」アンケートで1位になったことがあるほどの人気女優でした。60歳を過ぎた晩年の写真を見ても、大変愛らしいです(2021年6月に亡くなってしまいました)。

生涯で150本以上の映画に出演したそうですが、おとぎ話映画の中の彼女はお姫様がはまり役で、輝いています。

3.チェコでおとぎ話といえば?

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ボジェナ・ニェムツォヴァーのおとぎ話本

最近のおとぎ話映画には、ウケ狙いな脚本やキャラクター設定も多々見受けられますが、若いシャフラーンコヴァーが活躍した当時のおとぎ話映画は、クラッシックな話が題材。ボジェナ・ニェムツォヴァー(1820ー1862)という女流作家が、子供のころから親しんできたお話を本にまとめたのですが、そこからのお話を映画にしたものがほとんどです。例えば、今回私たちが24日から30日までかけ6本見たうちの4本が、ニェムツォヴァーのおとぎ話でした。

その内容は、苦難を越え、知恵を絞り、謎を解き、時には敵と戦い、最後は愛を勝ち取る(!)という、スケールの大きなものが多いのです。最近の映画でクラッシックな題材を扱うと暗い感じになりやすいのですが、70年代のものはどこかコミカルで、常に明るく優しい雰囲気に満ちています。

4.まとめ

実はおとぎ話に限らず、チェコ映画は70年代、80年代の作品が一番楽しい、と思っている私。最近は問題作として目をひくチェコの映画が日本公開になっていますが、可愛いシャフラーンコヴァーの出ているおとぎ話や、コミカルな70年代の映画も見てほしいなぁと思うのでした。