ほっこりチェコ絵本

心の隅っこをキュっと掴むモノと出来事。

チェコイラスト☆イジー・シャラモウン

シャラモウン_MaxipesFik

Maxipes Fík

もう11月。チェコは寒くなってきました~~

犬の散歩も、少々つらくなり始める時期でございます🐕‍🦺

以前、このブログの中でデザイン・マーケットに来た犬達を紹介したことがありますが、チェコ人は犬好きを自称する人たち。そこで、我が家の通りの1区画中にどれだけ犬がいるか数えてみたのですが…20軒中、10軒で犬を飼ってます。

…犬だらけやん😅。

 

犬といえば、今の子供も、そして昔の子供達も親しんできた犬アニメがあります。

その名も「マクシペス・フィーク/ Maxipes Fík」

訳すと「超大型犬フィーク」…というか、「ウルトラサイズドッグ・フィーク」と訳した方がイメージに近いかも。

今回はこのフィークについてと、フィークの絵を描いたイラストレーターの

ジー・シャラモウンさんをご紹介します!

 

あ、そういうわけで今日のワンポイントチェコ語は、「犬」にしましょう。

犬は Pes(ぺス)といいます。

そういえば余談ですが。

チェコ語で「おいで!」は「Pojď!(ポイッチュ!)」といいます。

日本で由緒正しい(!)犬の名前、「ポチ」は、チェコ人が犬に「Pojď (ポイッチュ)!」と呼んだのを、日本人が勘違いして「ポチ」いう名前なんだと思ったところから来た、などという語源説を聞いたことがあります…。

諸説あるようですがね。どれも、外国語の聞き間違いが元だと言われているみたいです。某公共放送の5歳児が出てくる人気番組では、英語のSpottyの聞き間違いだと語源が説明されていました💦

 

 1.フィークの誕生

 公共テレビ局であるチェコテレビの看板番組の1つ、ヴェチェルニーチェク(Večerníček)。日本でもチェコアニメ通は知っている、夕方18:45から放映の子供向けショートアニメコーナーです。その番組の伝統は、なんと1963年から続いています。番組開始以降様々なアニメーションが放映されてきましたが、中でも有名なのが「もぐらのクルテク」、「パットとマット」、「マフとシェベストヴァ―」など。日本ではクルテクと並んで、「妖精アマールカ」が人気あるみたいですね。われらがフィークが初めて放映されたのは1975年だそうです。

フィークの物語を生み出したのは、ルドルフ・チェフラ、絵を担当したのがイラストレーターのイジー・シャラモウンです。当時、チェフラはセント・バーナード、シャラモウンはボブテイルを飼っていたとのことで、それもあって巨大犬の話が出てきたようです。

 

2.あらすじ

フィークとご主人のアーヤちゃんの出会いはこんな感じです。絵本「Jak Fík vyrostl(フィークはどうやって大きくなったか)/ Albatros出版」からご紹介します。

1.アーヤちゃんの誕生日に、お父さんが仔犬を買ってきました。

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フィークとアーヤの出会い1
絵本「Jak Fík vyrostl」(Albatros)より(以下同)

2.フィークは大食漢。どんどんミルクを飲んで、日に日に大きくなります。

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フィークとアーヤの出会い2

 

3.あっという間に子牛ほどの大きさになってしまい、お父さんは根を上げます。「おとなしい仔犬差し上げます」という看板を作り、アーヤちゃんに外へたてにゆかせました。

 

4.ところが、たいへん。アーヤちゃんが池に落ちてしまったのです。それをみていた鳩が、あわててフィークに知らせに行き…

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フィークとアーヤの出会い4

5.…電光石火で駆け付けたフィークがアーヤちゃんを助けます。フィークはアーヤの命の恩人です。アーヤのおうちの敷地に馬小屋ぐらい大きな犬小屋をつくってもらい、そこで暮らすことになりました。

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フィークとアーヤの出会い5

3.フィークの愛らしさ

フィークは大きいばかりではありません。なんと人間の言葉を話せて、字が読めるようになります。しかも大変なジェントルマン。どこに行っても丁寧な態度を崩しません。

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しゃべる犬に列車のお客さんが卒倒

「MAXIPES FÍK NA CESTÁCH」 (Albatros)より

そんな知的な犬なので(!)、世界を見にひとりで旅に出たりもします。船の乗船員になったり、アフリカに行ったり、オーストラリアに行ったり、果ては飛行機まで操縦します。そして、見たこと・聞いたことを報告するお手紙をアーヤちゃんに書くのです。

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フィーク、旅に出る。
「MAXIPES FÍK NA CESTÁCH」 Albatros出版より

話せてジェントルマンなスーパーわんこなのに、マイペースで低姿勢。そのギャップがすごくかわいいのです。うーん、こんな犬、家族に欲しい…。

4.フィークの生みの親

チェフラの楽しいお話の魅力を倍増させたシャラモウンの絵。シャラモウンというイラストレーターを知りたくなりますよね!

というわけで、次回はシャラモウンさんをもう少し掘り下げます!